育毛効果が期待されているノコギリヤシの効果と副作用は?

ノコギリヤシ

薄毛や抜け毛に効果があると言われている”ノコギリヤシ”ですが、その効果と副作用はどういったものなのでしょうか。

ノコギリヤシについての情報と若ハゲ研究部の考察をまとめてみました。

育毛効果だけじゃない!?ノコギリヤシの特徴

一般的に”ノコギリヤシ”と呼ばれていますが、”ノコギリパルメット”または”ソウパルメット”とも呼ばれるヤシの一種です。アメリカ南西部で見られる固有種であり、日本には生息していないようです。

ノコギリヤシは薄毛・抜け毛対策、頻尿・尿漏れ対策、前立腺肥大症の緩和、精力剤、防腐剤としてなど、様々な用途で利用されているけっこう優秀な植物で、古くから民間薬として使われてきました。

研究が進められているノコギリヤシの効果・効能

薄毛や抜け毛に効くらしいノコギリヤシですが、特に頻尿や尿漏れ対策としてサプリメントの成分に使われていることが多いです。日本では育毛剤や育毛シャンプーの成分としても配合されている商品が多くありますね。

ノコギリヤシの特性として、前立腺肥大症、前立腺がんを治療できる化学物質を含んでいることは確認されているらしいのですが、現状ノコギリヤシの効果・効能に十分な科学的証拠はありません。

What the Science Says

  • Several small studies suggest that saw palmetto may be effective for treating BPH symptoms. However, a 2011 NCCIH-cofunded study in 369 older men demonstrated that saw palmetto extract administered at up to three times the standard daily dose (320 mg) did not reduce the urinary symptoms associated with BPH more than placebo. In addition, a 2009 review of the research concluded that saw palmetto has not been shown to be more effective than placebo for this use.
  • In 2006, an NIH-funded study of 225 men with moderate-to-severe BPH found no improvement with 320 mg of saw palmetto daily for 1 year versus placebo.
  • There is not enough scientific evidence to support the use of saw palmetto for reducing the size of an enlarged prostate or for any other conditions.
  • Saw palmetto does not appear to affect readings of prostate-specific antigen (PSA) levels. PSA is a protein produced by cells in the prostate. The PSA test is used to screen for prostate cancer and to monitor patients who have had prostate cancer.
  • An NCCIH-funded study is looking at the effects of saw palmetto extract on prostate cancer cells.

(訳)科学的な根拠

  • ノコギリヤシに関するいくつかの研究では、BPH(前立腺肥大症)の治療に有効であることが示されました。しかし、2011年にNCCIHが行った高齢男性369人を対象とした研究では、標準的な一日用量の3倍(320 mg)のノコギリヤシエキスを投与しても、プラセボと比較してBPHに関連する泌尿器症状が軽減されないことを実証しました。また、2009年の研究評価として、ノコギリヤシはBPHに対してプラセボよりも有効であることが示されていないと結論づけました。
  • 2006年、中等度から重度のBPHを持つ男性225人に対して、NIHが助成して行った研究では、プラセボと比較して、ノコギリヤシ320 mgを1年間毎日投与しても症状の改善は認められませんでした。
  • 肥大した前立腺のサイズ減少やその他の疾患に対して、ノコギリヤシを使用することを支持するのに十分な科学的根拠はありません。
  • ノコギリヤシは、PSA(前立腺特異抗原)の測定値には影響を与えないようです。PSAは前立腺細胞によって生成されるタンパク質です。PSA検査は、前立腺癌のスクリーニングや前立腺癌を有する患者をモニタリングするために使用されます。
  • NCCIHが助成する研究では、前立腺癌細胞に与えるノコギリヤシエキスの効果について調査しています。

確かな根拠はないものの、ノコギリヤシに含まれる成分がテストステロンに影響を与え、前立腺癌の成長を促す酵素の量を減らすことができると考えられているのです。

期待されている育毛剤成分”ノコギリヤシ”

それでは、育毛剤に含まれているノコギリヤシが薄毛や抜け毛にどのような効果をもたらすのか?

前立腺肥大症治療のためのノコギリヤシの効果に十分な科学的証拠がないため、もちろん薄毛や抜け毛改善効果についても十分な証拠がありません。

しかし、AGAなど薄毛や抜け毛に対するノコギリヤシの効果についての研究は現在も進められており、その効果が実証されつつあるのです。

なぜノコギリヤシが薄毛・抜け毛に効くと言われているのかというと、前立腺肥大症の元凶である前立腺癌は、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンが関係していると言われており、つまり、テストステロンとジヒドロステロンの増減が関係しているのでは?ということで、薄毛や抜け毛にも効果があるのではないかと考えられているからです。

それならノコギリヤシでジヒドロテストステロンの生成を抑制できるんじゃないか!?と考えられるようになり、”ノコギリヤシはハゲに効く”と言われるようになったんですね。

実際はノコギリヤシが前立腺癌に有効であるという科学的証拠がないため、もちろんハゲに効くという証拠もまだありません。

しかし、「ノコギリヤシでハゲが治った!」「ノコギリヤシで髪がフサフサになった!」などの報告が多数あり、”ノコギリヤシは薄毛・抜け毛に効果がある”ということが有力視されているわけです。

実際、脱毛症に対するノコギリヤシの効果に関する研究では、フィナステリドと比較することでノコギリヤシの有効性を示す研究や、ノコギリヤシ抽出物がケラチノサイト(角化細胞)の炎症性遺伝子発現を阻害することを示す研究など、まだ十分な根拠がないものもありますが、薄毛や抜け毛などの脱毛症に対するノコギリヤシの有効性が示されてきています。

ノコギリヤシとフィナステリドは似ている?

こうしてノコギリヤシについて調べてみると、効果や目的、開発経緯などがある薬と似ていることに気が付きますね。

それは”フィナステリド”です。

現在日本では”プロペシア”という商品名でAGA(男性型脱毛症)の治療薬として処方されていますが、フィナステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された薬なのです。

もちろんフィナステリドは前立腺肥大症や男性型脱毛症に対して効果があると科学的に示されており、日本では医療用医薬品に分類されています(前立腺肥大症の治療薬としては認可されていません)。

しかし、フィナステリドは高い効果を得られますが、男性にとっては致命的な”性欲減退”という副作用がついてくるのです。

それに対してノコギリヤシには、性欲が減退するどころか、精力増強効果があると言われています。

さらに、ノコギリヤシは副作用の危険性が極めて低いため、フィナステリドに比べて安全でコストが低い成分なのです。

ノコギリヤシの副作用

過剰摂取や体に合わないなどの理由により以下のような副作用が起こる可能性があります。

  • 目まい
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 便秘
  • 下痢

これらの副作用はおそらくノコギリヤシがホルモンバランスに影響を与えるからだと思われます。実際、ノコギリヤシがホルモンバランスに影響を与えるということはいくつかの研究で確認されてます。

一部のノコギリヤシの安全性に関する研究でノコギリヤシの安全性が示されていますが、ネット上の口コミなどを見ると、上記のような副作用が出た方出なかった方両方いるようなので注意が必要です。

一般的に、摂取目安量を守って摂取していれば副作用の心配はありません。過剰摂取は避け、体に合わないと感じた場合は医師に相談するか、直ちに摂取を中止することをおすすめします。

ノコギリヤシの摂取目安量

日本ではノコギリヤシの摂取目安量が定められているわけではありませんが、一般的に”1日320mg”が基準とされています。

ただし、この摂取目安量はあくまで健康に必要な量であって、ある症状の治療目的としては不十分な量なのだと思われます。

実際、ある研究で1年間毎日ノコギリヤシを320mg摂取しても、プラセボによる前立腺肥大症の治療には及ばないということが確認されています。

病気などを治療するには不十分な効果と摂取量かもしれませんが、継続的に摂取することで症状を緩和したり、軽度なものであれば改善が見込めるでしょう。

また、効果の程度は人の体質などにより違ってくると思われます。1日の摂取目安量を守り、副作用に注意しながら摂取することを心がけましょう。

最も効率の良いノコギリヤシの摂取方法は?

ノコギリヤシは育毛剤や育毛シャンプーの他、サプリメントとしても摂取することができますが、若ハゲを改善するためにはどれが最適なのでしょうか?

育毛剤、育毛シャンプー、サプリメントをすべて併用するという手もありますが、ノコギリヤシだけでも目まいや頭痛、吐き気、などの副作用を考えると過剰摂取は避けたいところです。

サプリの場合、1日あたり320~340mgのノコギリヤシを摂取できるものが一般的で、厚生労働省が摂取目安量を定めているわけではありませんが、これが適量とされています。中には1粒あたり550mgものノコギリヤシを含むものもありますが、ノコギリヤシはたくさん摂ればいいということではなく、継続して摂取することが大切です。

一方、現在育毛剤や育毛シャンプーにノコギリヤシを配合している商品は少なく、実際に効果があったという報告もありません。これはおそらく、ノコギリヤシは外用では効果を発揮しないことから商品が少ないのだと考えられます。

これらのことから、ノコギリヤシはサプリとして摂るのが望ましいでしょう。ノコギリヤシの育毛効果が科学的に実証されているわけではありませんが、実際にノコギリヤシのサプリを飲んで髪が増えたといった報告が多数あるのは事実です。

ノコギリヤシのサプリでも、頻尿・尿漏れ対策を目的としたものや、育毛目的のものなど様々です。目的によってノコギリヤシ以外の配合成分が違ってくるので、目的に合ったノコギリヤシサプリを選びましょう。

まとめ

ノコギリヤシは主に前立腺肥大症の治療に関する研究、脱毛症の治療に関する研究が進められており、十分な証拠はまだありませんが、ノコギリヤシの有効性が示されてきています。

現在販売されているノコギリヤシを配合したサプリメントなどにより頻尿や尿漏れ、育毛効果の報告も多数見受けられるため、ノコギリヤシの育毛効果は信頼していいでしょう。

ただし、当然フィナステリドなど医薬品の効果には劣るため、長期的に摂取しなければ効果は得られないと思います。

また、ノコギリヤシの摂取により副作用が出る可能性はありますが、フィナステリドと比べても安全性は高く、コストも低い天然成分であるということを考えると、フィナステリドではなくノコギリヤシを選ぶことをおすすめします。

若ハゲのようにまだ若い年齢のうちは代謝能力も高く、若ければ若いほど大きい効果が見込めます。ノコギリヤシによる早期の対策であれば、若ハゲの強い味方となるでしょう。

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